チーム開発を行っていると必ず必要になってくるチームマネジメント。役職が上がれば業務に占める割合が増えてきます。チームの成果を上げるためにも避けては通れない道になってくると思います。
そこで、KPTという手法を使って振り返りを行いチームマネジメントを行った手法と成果を紹介したいと思います。
KPTとは
Keep,Problem,Tryの観点で振り返りを行う手法になります。
- keep = 良かったこと
- problem= 良くなかったこと
- try = 改善策
これらを話し合いながらチームを改善していきます。
私が関わっていたプロダクトでは隔週でお昼の時間にKPTの振り返りを行っていました。
進め方
KPTの振り返りでは付箋を使って、メンバー全員で書き出す時間と発表する時間をとって進めていきます。では、具体的な進め方を説明していきます。
前回の振り返りを行う
KPTの振り返りでは、まず初めに前回のtryになっていた事柄の進捗を確認します。前回どんな話し合いが行われていたのかを思い出すと同時に、改善に向けて動きがとれているか全員の認識を揃えていきます。もし、できていないことがあれば、なぜ進まなかったのかを確認し、このまま来週tryするのか、やることを変えるのかを話し合います。
例えば、時間がなくてできなかったのであれば、次は時間をとって着手しようということになりますし、技術的な壁があってできなかったのであれば、別のアプローチを考える必要が出てきます。できなかったからダメなのではなく、次どうするかをしっかりと考えることが大切です。
Keepを出していく
時間を決めてメンバー全員でよかったことを書き出していきます。ここではどんな些細なことでも良いのでどんどん書き出します。例えば、〇〇さんのあの動きが良かった、開発が期間内に完了して良かったなど、どんなことでも良いです。
時間になったら、Keepを全員で発表していきます。一つ発表して、ホワイどボードなどに付箋を貼っていきます。発表するときにもポイントがあり、一つずつ順番に発表していきます。同じものが出た場合は同じ場所に貼っていきます。
全部出さない理由として、前の人に全部発表されてしまって、自分のが出せなかったというメンバーをなくすために順番に発表していきます。
Problemを出していく
Keepの発表が終わったら、良くなかったことを時間を決めて書き出していきます。開発業務の中でやりにくかったところや、チームの体制などで問題と感じているところを書き出していきます。
ここでも時間になったら1人一つずつ発表していきます。ここで発表することとしては、事実だけを発表していきます。発表している中で議論になってこうしたら良かったや、こうしたい!といった話が上がってくることがありますが、ここでは一旦話を止めて、事実の共有にとどめておきます。
Tryを出していく
Problemが出揃ったら、最後にTryを決めていきます。Problemで上がっていた事柄の対策を全員で考えていきます。ただ、対策を出すだけでなく具体的に誰がいつまでにどのように動くのかを決めておきます。ここまで決めておかないと誰も動かずに次の振り返りを迎えてしまうことになってしまいます。
KPTを使ってチームの意識変化
KPT振り返りをする前と後では、チームの意識に変化が出てきました。以前は問題があっても、なんとなく問題だよねーという意識はあるものの改善しようという意識がありませんでした。また、メンバー内で良い取り組みがあったとしてもそれがチーム全体に広がっていくことがありませんでした。
KPTを導入したことで、チームの取り組みを全員で共有することができて、各々が持っていたナレッジが全体に共有されました。また、チーム内で上がっていた課題についても議論する場が明確になったので、メンバーとしても意見を上げやすくなりますし、改善する動きをメンバー全員で取り組むことができるようになりました。
ランチの時間に開催するということ
ランチの時間を使うことについては、最初は賛否どちらもありました。ランチはゆっくり個人で食べたいという人もいれば、ランチ食べながらワイワイ話す時間を作りたいという人もいました。一旦ランチタイムを使ってやるということで初めて、問題があれば改善していこうということで始めました。結果としては、隔週でランチ食べながら雑談したり、サービスの将来のことを気軽に話せるいい時間となって、反対意見は無くなっていきました。
ここはチームの状況によってかなと思いますが、メンバー全員で気軽に話し合える時間を作るというのはチームマネジメントをしていく上で大切なことになるのかなと感じました。
KPTの振り返りを使ってチームの活性化に繋げましょう
振り返りをして、良いことは続ける、悪いことは直していく。言葉でいうと簡単なことですが、これが自然にできる人・チームはなかなかないのではないでしょうか。KPTの振り返りの時間をとって実施することで、そこに意識が向き、いい方向に動いていくことができると思います。