プロダクトマネジメントをしていると、「作らない」という判断をすることがあると思う。
優先度、工数、タイミング、さまざまな理由をつけてやらない判断をすることになると思う。
しかし、その判断は本当に正しいのだろうか?今じゃないとやらないを混同していないだろうか?
「作らない」を決める三つの視点
作るか作らないかの判断は、誤ると開発の工数を使ったのに意味のないものができてしまうことになりかねない。
そこで、私がやるかやらないかを考える際に考えている3つの視点をまとめてみた。
誰のどんな課題なのか
そもそも誰かの課題を解決するから価値を発揮するのであって、誰のなんの課題も解決しないものは作るのが無意味になってしまいます。
課題があったとして、それはこのプロダクトで解くべき課題なのか、今向き合うべき課題なのかを考えていきます。
これがどちらかでも違うのであれば、作らない、今ではないで良いと思います。
今のプロダクトの軸に沿っているか
今のプロダクトの目指している姿に沿っているのか。方向性から逸れるのであれば、本当に今やるべきなのかは考えた方が良いです。
仮に工数が無限にあるとしても、プロダクトの軸からズレる機能をたくさん搭載しても何ができるようなプロダクトなのかわからなくなってしまいます。
作らないことで守られるものは?
作らない判断をすることで、他の開発へのリソースの投下できるようになったり、プロダクトとしての一貫性など何かしら得るものがあるはずです。
機能を実装した時のメリットと、やらないことで守られることを比べて作らないことで守られるものが大きいのであれば、やらないことも重要だと思います。
今じゃないとやらない
さまざまな判断をしていく中で、今じゃないんだよなーということは多々ある。その機能に価値はすごくあると思うが、工数的な問題で、もっとインパクトのある施策があるから、色々な理由で今じゃないということはたくさんあると思う。
一方で、やらないという判断もある。
やらないはプロダクトの方向性とずれているから、この機能を求めているユーザーがいないから、こんな理由ではないだろうか。
この今じゃないとやらないは、今日の時点ではやらないことに変わりはないが、今後やるかもしれないという意味では、全然違う扱いをしていかないといけない。
ここを見誤ると、何もやることがなくなったり、せっかくの施策が泡となってなくなっていってしまう。もしくは、意味のない施策が溜まっていって有効な施策が埋もれてしまう。
作らない・今じゃないを決めたら納得感のある説明を
判断した後には、なんでその判断を今したのかをちゃんと残しておきましょう。
この説明が今時点でできているのであれば、その判断は正しいと思います。
仮にそれが間違えていたことが後々わかったら、その判断を振り返ってどうすれば良かったのかを考えれば良いので、その材料になります。
なので、やらないと決めたからすぐに消すのではなく、やらない理由と合わせて残しておきましょう。

